平成28年度 海外クリエイター招へいプログラム 招へいクリエイター

文化庁は、「平成28年度メディア芸術クリエイター育成支援事業」での海外クリエイター招へいプログラムの招へいクリエイター3名を決定いたしました。
本プログラムは、世界から若手の優秀なクリエイターを東京に招へいし、日本の創造文化に触れながら、作品を制作する機会を提供し、優れた作品の成果を促すとともに、メディア芸術における国際交流を推進し、交流機会を通じた国内クリエイターの育成を図ることを目的としています。
本年度は平成28年6月13日から8月19日までの期間に、全世界の優秀なクリエイターを対象に募集し、55カ国から170件の応募がありました。書類審査、審査会を経て決定した招へいクリエイターは、平成28年12月中旬から3月中旬まで東京に滞在し、期間中、新作の制作を進めると同時に、研修会、上映会、あるいはスタジオやクリエイターのアトリエ見学、教育機関との交流など、さまざまなプログラムに参加する予定です。

招へいクリエイター

(性別/国籍/年齢) ※ 年齢は平成28年11月10日時点

イヴァン・ヘンリケス Ivan HENRIQUES
(男性/ブラジル/38歳)
12月中旬より約90日滞在予定

1978年生まれ。生態系をテーマにさまざまなマルチメディアインスタレーションを手掛けるアーティスト。自然とテクノロジー文化の融合を探求しながら、人間とその他の生命体との新しいコミュニケーション方法を模索している。「自然」はインスピレーションの源であり、かつ、世界の発展における必要不可欠な要素と捉え創作活動を行っている。
https://ivanhenriques.com/

滞在制作の企画概要

©Ivan Henriques

『MICROSCOPIC CHAMBER(マイクロスコピック・チャンバー)』:2013年にニューヨークで参加したバイオアートのレジデンシーで制作したレーザーと水滴の中の生態系を組み合わせた作品のアイディアを生かし、今回は世界の中でも日本が業界のトップを行くホログラム技術を用いた作品を制作する。ホログラムを使って微生物を映し出すことで、周りに存在する目に見えない生態系や環境について知ることができる。


アレスィア・シュキナ Olesya SHCHUKINA
(女性/ロシア/30歳)
1月中旬より約50日滞在予定

ロシア生まれ。アニメーション作家、イラストレーター。サンクトペテルブルクの映画テレビ大学およびラ・プドリエール・アニメーション学校で学び、フランスとロシアを拠点に作品を制作。ドラマとコメディを織り交ぜながら、自らのアイディアを 実現するためのメディアとしてアニメーションを用いている。
http://spitsbergenisland.com/

滞在制作の企画概要

©Olesya SHCHUKINA

『L LETTERS(エル・レターズ)』:二人の郵便配達人と、別々の都市に住みラブレターを送り合う一組の男女を中心にしたアニメーション作品。二人の郵便配達人はそれぞれ、ある時から手紙を読み始め、彼らの恋愛関係へ関わっていく。次第に手紙は二人の郵便配達人の間だけを行き来することになり、男女は自分たちのあずかり知らぬところで架空の手紙がやりとりされる事態になってしまう。作品のテーマは「真実と嘘、幻想と関係性」について。そして、私たちが何かを信じてすがりたいときに、嘘はどこまで私たちを導いてくれるのかということ。


ソウゲン・チュン Sougwen CHUNG
(女性/カナダ/31歳)
1月中旬より約50日滞在予定

カナダ生まれ、中国育ち、ニューヨーク在住。アーティスト、MITメディアラボ客員研究員。人間とコンピュータの相互作用を理解するアプローチとして、手描きによる軌跡と、ロボットによる軌跡について探求している。彼女の作品は、ジュネーブの現代美術館、国立新美術館、ニューミュージアム(ニューヨーク)などで展示されたほか、The New Yoker誌やトライベッカ映画祭でも紹介されている。
http://sougwen.com/

滞在制作の企画概要

©Created on the occasion of the exhibition: NEW INC Showcase at Red Bull Studios New York July 2015. Photo: courtesy of Drew Gurian / Red Bull Content Pool

『Drawing Operations Unit: Generation 2, COLLECTIVE MEMORY(ドローイング・オペレーション・ユニット・ジェネレーション・ツー・コレクティヴ・メモリー)』:前作「ジェネレーション 1」の発展系として、参加者とロボットが協創することを目的に据えた”ドローイングの記憶”を構築するプロジェクト。古来の描き方や現代におけるドローイングの方法について、ディープ・ラーニングの手法や中立的なアルゴリズムに則って、あらゆるものや人から影響を受けたドローイングを行う。