概略

人間不在の家で、家庭用ロボットやコミュニケーションロボットたちはどういった関係性を築いているのか、といった作品である。スマートスピーカーが家電、照明たちに命令を発生し、その声がトリガーとなりロボたちはAIによるチグハグな会話を続ける。核家族、個人化など社会にある寂しさを具現化したものとしてこのロボットたちを使う。犬型ロボットが人型ロボットに首輪をかけ、人型ロボットを犬が追いかけ、ロボット掃除機が犬用の柵に閉じ込められてしまい、そのロボットだけの空間の写真を撮り続ける。人間不在による、ロボット同士の歪な関係性を強く提示する。

プロフィール

ノガミ カツキ
1992年、新潟県生まれ。コンテンポラリー・メディアアーティスト。武蔵野美術大学卒業。武蔵野美術大学在学中にベルリン芸術大学との交換留学でオラファー・エリアソンに師事。文化庁メディア芸術祭、PrixArsElectronica、学生CGコンテスト、ifva、アジアデジタルアート大賞など多くの国際的フェスティバルで受賞。FILEやWRO、Scopitone等の国際的メディアアートフェスティバルにも多く参加している。
http://katsukinogami.com

渡井 大己
1985年、静岡県生まれ。インタラクション・デザイナー、メディアアーティスト。早稲田大学商学部卒業、早稲田大学大学院文学研究科表象メディア論コース修了。在学中は、メディア論・インタラクション研究に従事する一方、アート作品の制作、群知能ロボット開発を行う。現在は広告やイベント等のテクニカル演出、インスタレーション制作を手がける。第18回学生CGコンテスト審査員賞、第18回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品選出。PrixArsElectronica 2017にてHonorary Mention選出。