プログラムについて

文化庁では、「メディア芸術クリエイター育成支援事業」の一環として、「キュレーター等海外派遣プログラム」を実施します。本プログラムを通じて、メディア芸術をサイエンス、教育、ビジネス等の領域にもまたがって思考し、既存の概念にとらわれず、新しい文化、新しい枠組みを作り出せる次世代のキュレーターや文化プロデューサーとして幅広く活躍する人材の育成を目指します。

令和3年度は、アルスエレクトロニカ(オーストリア・リンツ市)のヴィジョン・哲学・実践を学べる実地研修プログラムを実施します。世界最大のメディアアートフェスティバルである「アルスエレクトロニカ・フェスティバル」の運営のほか、教育、研究、コンペティション等、アルスエレクトロニカにおいて行われている幅広い領域の業務を体験することで、知識やスキルを学ぶことができます。

募集概要

アルスエレクトロニカ (オーストリア・リンツ市)での約半年間の研修プログラムに参加する、メディア芸術の活動・研究に携わった経験があり、キュレーションやプロデュースの職域に関心のある人を募集します。採択者には、現地までの渡航往復航空賃、支度料、滞在費(規定額)を支給します。

・派遣期間:2021年 5 月〜10月(予定)
・採択人数:1名

プログラム内容

アルスエレクトロニカの4つの部門における業務を幅広く体験する研修プログラムです。アルスエレクトロニカでは、2つの施設(アルスエレクトロニカ・センター、フューチャーラボ)で学ぶほか、コンペティション(プリ・アルスエレクトロニカ)や、9月に開催されるフェスティバルの運営に携わると共に、自ら小規模なプログラムを企画・実施する機会を持つことができます。

令和3年度アドバイザー

戸村 朝子(ソニーグループ株式会社 コーポレートテクノロジー戦略部門 Group1 統括部長)

(株)資生堂 宣伝部コンピューターデザイン室を経て、2001年よりソニー(株)。(株)ソニー・ピクチャーズエンタテインメント、(株)アニプレックスなどで、映画やアニメーションの配信事業構築を担当。その後、CSR部にて社会貢献プロジェクトや、Life Space UX事業を経て、現在は先端技術を用いた先端コンテンツ開発、サステナビリティ、科学技術コミュニケーション等を担当。文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業アドバイザー(2017-2019)。東京大学大学院情報学環 客員研究員。


畠中 実(NTT インターコミュニケーション・センター [ICC] 主任学芸員)

1968年生まれ。1996年の開館準備よりICCに携わる。
90年代末より、上映や音楽イヴェントなどの企画を行ない、2000年の「サウンド・アート―― 音というメディア」展以降、多くの展覧会を手がけている。ダムタイプ、八谷和彦、ライゾマティクスなど、アーティストの個展企画も多数。

令和3年度採択者

蒔野 真彩(東京大学多文化共生・統合人間学コース博士課程在学)

1996年、兵庫県生まれ。修士課程在学中に、ドイツ、フランスで研究発表を行う。3.11以降の福島でのアート活動について調査した修士論文「「開かれたローカリティ」としての「ふくしま」の再構築」で、同コース「一高記念賞」を受賞。その後、キングコング西野亮廣氏のもとで、『えんとつ町のプペル』のVRを制作。VR、音楽、公共空間などをテーマに、未来の都市に必要なアートについて探っている。