プログラムについて

メディア芸術クリエイター育成支援事業は、若手クリエイターの創作活動を支援することにより、次世代のメディア芸術分野を担うクリエイターの水準向上を図るとともに育成環境を整備します。また、メディア芸術分野における国内外のクリエイター同士の交流を推進し、交流機会を通じた国内クリエイターの育成を促し、その成果を国内外に広く発信することで、我が国メディア芸術水準の向上と発展に資することを目的としています。

【国内クリエイター創作支援プログラム】は、5年以上の活動歴を有する、または、これまでに国内外で顕彰等の受賞歴がある概ね40代までのクリエイターを対象に、メディア芸術分野での新しい作品創作の企画を募り、専門家からのアドバイスや技術提供をはじめとした育成支援、他のクリエイターとの交流支援、成果発表の機会の提供や制作費など、選出された企画の具体化を様々な形で支援します。

概略

メディア芸術分野(メディアインスタレーション、ゲーム、アニメーション、マンガ等)の新しい作品創作の企画

支援予算額:上限500万円

支援内容

レベルアップサポート 企画内容に基づき、アドバイザーをはじめとした様々な専門家からのアドバイスや技術提供の機会を提供します。

発信サポート 取り組んだ企画が今後の発表に繋がるように発信サポートを行います。本事業のウェブサイトだけでなくリリースの発信や、成果発表イベント時には企画を紹介するリーフレット(日英)を作成予定です。

クリエイターとの交流 他のクリエイターとの交流の機会を提供します。

制作サポート 企画内容に応じた創作支援。支援額(資料調査費・材料費等)は500万円を上限とします。支援額は提出書類等に基づき決定します。(決定された支援額を超えた額は自己負担とします)。

年間スケジュール(予定)

募集期間               2023年4月25日(火)~5月31日(水)18:00 必着
1次選考(書類)     2023年6月初旬〜7月中旬
2次選考(面談)     2023年7月下旬
選考結果発表          2023年8月下旬(公式ウェブサイト内で発表)

アドバイザーとの面談
初回面談      2023年9月
中間面談      2023年11月
最終面談      2024年1月

成果発表イベント
2024年2月17日(土)〜25日(日)(予定)

令和5年度 アドバイザー

石橋 素

エンジニア/アーティスト/ライゾマティクス

1975年、静岡県生まれ。東京工業大学制御システム工学科、国際情報科学芸術アカデミー[IAMAS]卒業。2011年よりライゾマティクスを共同主宰。デバイス、ハードウェア制作を主軸にアートパフォーマンス、ライブエンターテイメント、インスタレーションなど、多領域にわたり活動をしている。アルスエレクトロニカ、カンヌライオンズ、文化庁メディア芸術祭など受賞多数。

さやわか

批評家/マンガ原作者

著書に『僕たちのゲーム史』(2012)、『僕たちとアイドルの時代』(いずれも星海社、2015)、『名探偵コナンと平成』(コアマガジン、2019)、『世界を物語として生きるために』(青土社、2021)など。マンガ原作に『永守くんが一途すぎて困る。』(ふみふみこ作画、LINE、2021–22)、『ヘルマンさんかく語りき』(倉田三ノ路作画、KADOKAWA、2023–)など。「ゲンロン ひらめき☆マンガ教室」主任講師。

戸村 朝子

ソニーグループ株式会社コーポレートテクノロジー戦略部門コンテンツ技術&アライアンスグループ統括部長

株式会社資生堂宣伝部を経て、2001年よりソニー株式会社。株式会社ソニー・ピクチャーズエンタテインメント、株式会社アニプレックスで、映画やアニメ作品のデジタル事業の新規開拓。その後、本社CSR部にて、国際NGO等と技術を活用した社会課題解決に取り組む。16年より現在まで、先端コンテンツ開発、技術コミュニケーション、サステナビリティ技術推進等を担当。アルスエレクトロニカ2021「Garden TOKYO」企画ディレクター、欧州委員会2022 S+T+ARTS Prize Jury。21年より東京大学大学院情報学環客員研究員。理学修士(化学)、政策・メディア研究修士(メディアアート)。

西川 美穂子

東京都現代美術館学芸員

2004年より現職。東京都現代美術館での主な企画に「MOTアニュアル2008 解きほぐすとき」(2008)、「靉嘔 ふたたび虹のかなたに」「MOTアニュアル2012 Making Situations, Editing Landscapes 風が吹けば桶屋が儲かる」(いずれも2012)、「フルクサス・イン・ジャパン2014」(2014)、「Viva Video! 久保田成子展」(2021–22、共同企画)、「MOTアニュアル2022 私の正しさは誰かの悲しみあるいは憎しみ」(2022)などがある。

原 久子

大阪電気通信大学総合情報学部教授

現代美術批評誌『A&C:Art & Critique』の編集に携わる。1992年に中ザワヒデキらとともにMac版フロッピーマガジン『JAPAN ART TODAY』を、97年にウェブアートマガジン『ART遊覧(現)』を立ち上げ。さまざまな媒体に執筆、編集で関わる。主な共同企画に「Move on Asia」(2002–、LOOP/韓国、ZKM/ドイツほか)、「六本木クロッシング:日本美術の新しい展望2004」(2004、森美術館/東京)、「あいちトリエンナーレ2010」(愛知県美術館ほか、2010)。共編著に『変貌する美術館―現代美術館学II』(昭和堂、2001)など。アーティスト・イン・レジデンス、文化政策、創造環境の調査等のリサーチャーとしても活動。

森田 菜絵

企画・プロデューサー

NHK『デジタル・スタジアム』等のテレビ番組制作ディレクターを経て、日本科学未来館において先端科学を伝えるプラネタリウム等の企画・プロデュースに従事。主な担当作に『暗やみの色』(2005)、『バースデイ ~宇宙とわたしをつなぐもの~』『夜はやさしい』(いずれも2009)、『9次元からきた男』(2016、いずれも日本科学未来館)など。10年、文化庁・新進芸術家海外研修制度により渡蘭、V2_Institute for the Unstable Mediaにて研修。12年に帰国後、株式会社マアルトを設立。現在は、展示やドーム映像を中心にサイエンス&アート分野のさまざまなプロジェクトに携わる。

森 まさあき

アニメーション作家/東京造形大学名誉教授

1955年、静岡県生まれ。中央大学商学部会計学科在学時代より独学で始めた8mmフィルムによるコマ撮り自主作品で注目される。80年、株式会社アニメーションスタッフルームに入社、セルアニメから初期のCG、モーションコントロールを使った数多くの特殊撮影のCM映像などを手がけるが、手づくりのクレイアニメに目覚め90年に独立。有限会社モリクラフトアニメーションを設立。テレビ番組『とんねるずのみなさんのおかげです。』のOP『ガラガラヘビがやってくる』(1992)、『がじゃいも』(1993)など多くのクレイアニメ作品を生み出す。2005年より東京造形大学にてアニメーションの教育指導に励む。

モンノ カヅエ

映像作家

クリエイティブ・デュオTOCHKAの一人として、2005年よりコマ撮りと長時間露光撮影でアニメーションを描く「ピカピカ」の技法を編み出す。長時間露光写真とストップモーション・アニメーションの手法を組み合わせ、ペンライトを使って空中に線を描くことでアニメーションをつくることを可能にした。アニメーション映画祭から現代アート、コミュニティアートの分野で幅広く活動している。

山川 冬樹

美術家/ホーメイ歌手/秋田公立美術大学准教授

1973年、ロンドン生まれ。自らの声・身体を媒体に視覚、聴覚、皮膚感覚に訴えかける表現で、音楽、現代美術、舞台芸術の境界を超えて活動。己の身体をテクノロジーによって音や光に拡張するパフォーマンスや、南シベリアの伝統歌唱「ホーメイ」を得意とし、国内外のノイズ・即興音楽シーン、音楽フェスなど、ジャンルを横断しながらパフォーマンスを行う。現代美術の分野では、『The Voice-over』(1997–2008、東京都現代美術館蔵)、『「パ」日誌メント』(2011–)などを発表。2015年、横浜文化賞文化・芸術奨励賞受賞。秋田公立美術大学大学院複合芸術研究科および同大学美術学部アーツ&ルーツ専攻准教授。

米光 一成

ゲーム作家

広島県生まれ。代表作『ぷよぷよ』(1991)、『BAROQUE』(1998)、『はぁって言うゲーム』(2017)、『あいうえバトル』(2021)、『言いまちがい人狼』(2023)等、コンピュータゲームからテーブルゲーム、儀式まで幅広く作品をつくり続けている。2007年に岸井大輔主催の「LOBBY」で参加型演劇作品『ぼくがゲームを作らないと世界は滅びてしまうから』作・演出。また19年に儀式作品『記憶交換ノ儀式』の作・演出。23年4月2日、「儀式フェス」を開催した。デジタルハリウッド大学教授。

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